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活動履歴一覧


2014年

第23回

女と欲望とロックと私―フェミニズムと女性の欲望の主体性を斜め上から見ると
荒木 菜穂


 本報告では、これまでのフェミニズムにおける女性の欲望に関する議論を踏まえた上で、男性文化である性やロックへの欲望を示す1960年代のグルーピーと呼ばれる女性たちに着目し、女性の欲望の実現がジェンダー構造変革への働きかけの側面を持つことについての肯定的評価と疑問を提示した。1960年代以降の第二波フェミニズムでは、それまで男性が持つものとされてきた性や金や権力にたいする欲望を女性が持つことは、一方では男性中心的社会構造への迎合として、批判的に語られてきたが、他方では、女性が主体的な活動を意味するとして好意的な視点も存在する。本報告では、パメラ・デ・バレス著『伝説のグルーピー』の「元気になれる」読み方として、男性ロックミュージシャンを追っかけ、かれらに性的欲望を向けるグルーピーたちの行動が、男性ホモソーシャル文化への侵犯やそれらの意味づけを変化させるきっかけとなること、欲望を通じ女性同士が連帯すること、無いものとされてきた女性の欲望の可視化などの点を、フェミニズムと欲望の友好な関係性を考える上でのヒントとして示した。複数の側面での欲望の定義が曖昧であったこと、フェミニズム的視点が性的欲望に関してに偏ってしまったことは反省点とし今後の課題としたい。

2014年3月8日(土) 甲南女子大学 13:00-17:00
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2013年

第22回

女子文化/Chick Cultureにおける林真理子論 ― (ポスト)フェミニズムのフロント・ランナー
吉岡 愛子(上智大学)


 林真理子はそのフェミニスト的言動や生き方にも関わらず、フェミニズムやフェミニストからは疎外された位置づけをされることが多かった。だが、近年小倉千加子、斎藤美奈子、荷宮和子、北出真紀恵などがフェミニズムと林真理子についての議論を重ねてきた。斎藤や北出はウーマンリブと林のつながりを指摘しており、荷宮は1980年代に学術的フェミニズムを牽引した上野千鶴子とフェミニズムのようなものを体現した林真理子に焦点をあて、「女の時代」と呼ばれた80年代を検証した。
 本発表では、新たに、1990年代からグローバルに広がるChick Culture(女子文化)との絡みも踏まえて、林は日本の第2波フェミニズムの影響を受けながらも、それとは異なる(ポスト)フェミニズム、もしくは第3波フェミニズムの潮流につながる新しいフェミニズムを体現する先駆者であったという提言をしたい。近年ポストフェミニズムの先駆者として再評価されたヘレン・ガーリー・ブラウンと林真理子の類似点と相違点について比較検討を行い、林の言説に顕れる第2波フェミニズムとポストフェミニズム的要素を明らかにすることで、林の「ポストフェミニスト的リアリズム」に言及する。90年代に世界を席巻したChick Cultureの台頭より早く、80年代にすでに日本のポストフェミニズムの先駆けとなっていた林真理子の再評価を行うことが本発表の目的である。


女子教育における良妻賢母とホスピタリティ ー平安女学院を事例にー
永田美江子(平安女学院大学)


 日本には女子大学が79校ある。その中には明治5年の学制発布の前後に創設され、現在も女子だけの学校として存続してところも多い。その中のひとつ平安女学院大学を事例に取り上げて、明治から平成の今にいたるまでの女子教育のひとつのあり方を概観した。平安女学院の事例は決して普遍的なものではないが、今回の報告が男女共学化の流れの中で、女子教育を考えるささやかなきっかけになればと思っている。
 まず平安女学院大学がホスピタリティ教育に力を入れるに至った経緯を説明し、観光産業の人材育成教育と女子教育とが重なる地点で、ホスピタリティ教育とマナー教育が展開していることを示す。次に同大学で展開しているホスピタリティ及びマナー教育の具体的内容を紹介し、筆者が担当する講義を通してホスピタリティとマナー教育をどのように女子教育に反映させていけばよいかを考察する。
 平安女学院大学の前身となる照暗女学校も、大阪の川口居留地で1875(明治8)年に創設された。最初は“エディの学校”と呼ばれる小さな私塾から始まったが、そののち照暗女学校と改名された。照暗女学校は、アメリカ人の女性宣教師がキリスト教を伝えるために、大阪の川口居留地で女子に英語とキリスト教を教える学校として開設された。その後、同校は京都へ移り、現在まで同地で女子教育をおこなっている。京都に移転した後に照暗女学校から平安女学院に校名が変更されたが、その教育はその他の明治初期に創設された女子ミッションスクールと同様に英語教育に力を入れ、西洋的良妻賢母型の女性の育成を目指していた。しかし明治の国家主義の台頭とともに、ミッションスクールという宗教的な性格が、様々な問題を抱えることになる。この時、多くの女子ミッションスクールは各種専門学校となり、キリスト教主義女学校として日本における女子高等教育機関の機能を果たすようになっていった(註1)。平安女学院は、各種専門学校ではなく、学校として生きる道を選択し、平安高等女学校となった。その結果、平安女学院はミッションスクールではあるが、高等女学校として日本的な良妻賢母教育にシフトしていき、明治から大正、昭和を迎えることになった。
 その後、第2次世界大戦後の教育改革を受けて短期大学を開設し、英文科や保育科、家政科といった当時の女子に人気の学科を編成した。1980年代になると社会学者であり、フェミニスト研究者として著名な上野千鶴子が教鞭を取るなど、平安女学院短期大学は全盛期を迎える。しかし1990年代以降、少子化による18歳人口の減少と学校運営の問題から、学生を惹きつけるための新たな方途の模索に迫られた。小泉政権が2007年に観光立国宣言を打ち出すと、同校が明治以来女子教育に携わっていた土地、日本で有数の観光地である京都で国際観光学部を開設した。
 平安女学院では、設立当初から「英語」を教育の柱とし、英語教育を重視した大学として広く認知されてきた。現在の平安女学院大学国際観光学部における英語教育は、教養から実学指向へと移行する社会情勢に即したかたちで、国際観光学部として観光産業の人材養成を目的としたものとなっている。
 観光産業に適応した人材を育成するために国際観光学部では、英語教育とともに、ホスピタリティ教育を重視している。そのひとつが「貴品女性」に象徴されるジェンダー規範にもとづく、女性としてのホスピタリティやマナーの体得を中心とした教育である。「貴品女性」とは平安女学院が目指す育成目標として表現した女性像である。その具体的な実践が平安女学院大学におけるホスピタリティ教育とマナー教育である。以下では、このような背景のもとで展開しているホスピタリティ教育とマナー教育の授業内容について述べていく。
 第1のホスピタリティ科目群は、ホスピタリティ産業で働くための基本的なスキルを習得させる科目である。これらはさらに、基礎科目群と専門科目群に下位区分されている。基礎科目群は古代ギリシヤの異人歓待に由来するホスピタリティの概念・用語の解説や、国内外のホスピタリティ産業の発展動向、それらの産業で求められる人材像などを概論的に講義する授業と、ホスピタリティ産業で求められるコミュニケーションスキル(例えば、接客マナーやマネジメントスキル)を具体的に培うための演習で構成される。これらのホスピタリティ関連科目は、その他の観光学部でも開設されているものであり、ホスピタリティ産業への就職に直結するようにデザインされている(註2)。専門科目群には、「ブライダル入門演習」「ブライダル概論」「ホテル実務論」「エアライン概論」といった授業があり、後述するが学生に人気の就職先であるブライダル業界(ブライダル・コーディネーター)と航空業界(キャビンアテンダント)に関する講義と演習である。
 平安女学院大学を事例として、同校のホスピタリティ教育を追っていった。今回は受講者である学生の様子を説明することができなかったが、授業担当者である報告者は、授業や学生支援を通して、彼女たちの多くがマナーやホスピタリティに対して自らの「女子力」を基準として把握しており、特に外見やコミュニケーション力に自信のない学生は、ホスピタリティやマナーを拒絶する傾向にあるのではないかと推察している。しかし一方で彼女たちが拒否するのは従来の男社会で女性に求められているものではないかという思いもある。それはマナーの授業以外、例えば「ジェネリックスキル」の授業における旅館プラン作成という課題などのすべてを女子だけでおこなう世界では、多様な女子力が存在し、発揮されていることからも示唆される。この事例は今後報告をさせていただきたい。
 現代の女子学生たちは多様な考え方を持っており、それはマナーやホスピタリティに対する捉え方も同様で、女子学生たちはそれらを女性として生き抜く力として再評価しつつある。そして女子力は必ずしも従来のジェンダー規範にのっとった社会で応用されるものではなく、女同士の人間関係をサバイバルする資源としても重視されつつある。とすればそうした女子力を磨くという形で、彼女たちにマナーやホスピタリティの価値を見いださせることも可能ではないだろうか。必ずしもファッションや外見的な美しさだけではないのがマナーやホスピタリティであり、男性社会に受ける技術に曲解されないためにも、女子大は女子同士のコミュニケーション技術に即応するような教育を開拓するポテンシャルがあるのではないだろうか。

(註1)神戸女学院、フェリス女学院、同志社女学校などは女子専門学校となり、立教女学院は平安女学院同様に高等女学校となった。

(註2)たとえば大阪観光大学観光学部では基礎科目に「ホスピタリティマナー」や「キャリアデザイン」がある。川村女子学園大学生活創造学部生活観光文化学科では、「ホスピタリティ入門」「ホスピタリティ実務」「ホスピタリティ・マネジメント」「マナー心理学」などがある。

2013年12月26日(木) 甲南女子大学 13:00-17:00
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第21回

女子とポピュラー音楽―K-POPガールズグループの受容比較から―
吉光 正絵(長崎県立大学)


本報告では、K-POPガールズグループの各国における受容状況とソーシャルメディアを利用したグローバル戦略や現地化の関係について、2013年度8月末週の韓国、中国、日本、アメリカの週間音楽チャートとアイドル名義のミニブログや公式HPの投稿内容やフォロワー数に関する分析から考察した。中国のチャートでは、韓国のデジタルチャートと相関が強いものの、中華圏にルーツを持ちWeiboに同性や異性のアイドル達との関係や韓国のアート、ファッション事情などを投稿し、数百万人、数十万人のフォロワーを持つアイドルがランクインしていた。アメリカのチャートではR&Bや強いリズムの曲が多い傾向があるが、英語圏出身でtwitterやfacebook公式アカウントのフォロワー数が多いアイドルが上位にはいっていた。ただし、楽曲の現地化は日本に対してだけ行われていた。日本向けの曲では、感謝、思い出、笑顔が強調される日本語の歌詞と高めの音程、パステルカラーの衣裳やメイク、恋に積極的でお互いが前向きに励まし合う女子会ノリのPVなど、日本の女性向けファッション雑誌で表現される若い女性像と共通点の多い女性像が作りこまれていた。


BLマンガにおける男性キャラクターの表現
西原麻里


 本発表では、「ボーイズラブ(BL)」というジャンルの特性と「マンガ」というイラストで表現する視覚メディアの特性とから、BLジャンルにおける男性の身体の表現の変遷を概略的に報告した。また、近年の作品におけるキャラクターの身体への新しい表現から、BL物語(「攻め」/「受け」の関係性)の変化と、女性の「男性身体へのまなざし」とを考察した結果を述べた。
 近年、とくに2000年代後半以降のBL作品では、たとえば“男役”である「攻め」だけでなく“女役”である「受け」の筋肉や体毛がはっきりと描かれるもの、「攻め」にも女性ジェンダーの記号である乳首が描かれるもの、「攻め」/「受け」の体格差があまり強調されないものなど、それ以前の時代では避けられてきた表現がよく登場している。これらの「新しい表現」がみられる作品を、報告者は「“劇画”的な作品」、つまり「写実的イメージ」だと解釈した。このような作品では、起承転結が明確でなかったり、お約束的なハッピーエンドの物語(つまり“漫画”的)とはなっていなかったりする。これらの作品の描き手は、BL以外のジャンル(ヤングレディースや青年マンガなど)に活躍の場を広げる者が多い。
 質疑応答では、女性によって男性が“視られる”対象となる傾向(それによって男性も、美容や体型やファッションにおいて女性の好みを意識化するようになる傾向)が90年代以降に増加していったことと、同時代的に捉えられるのではないか、という指摘をいただいた。また、ジェンダーをマンガ表現としてあらわすことの一つの手がかりとして、少年マンガ(とくに『週刊少年ジャンプ』)ではいまだに男性キャラクターの裸体に乳首は描かれない、というコメントもいただいた。そのほか、70年代から90年代あたりまでは、国内外の俳優やロックミュージシャンなどがキャラクター創作にて参照されることが多かったが、「新しい表現」によるBL作品のキャラクターでは、日常的な風景にいる一般人(たとえば居酒屋やコンビニの店員、大学生など)が参照されているのではないか、という指摘をいただいた。


2013年9月7日 甲南女子大学 13:00-17:00
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第20回

「女子力」の社会学―雑誌の質的分析から―
近藤優衣


本報告では、「女子力」とは何か、その意味内容はどのように変遷していったか、「女子力」という概念が成立する社会とはどのような社会なのかについて、「女子力」をタイトルに含む全雑誌記事(256件)を対象にし、雑誌分析の手法で考察した。「女子力」を上げる目的を基準に、モテ・恋愛・結婚を目的とした「男性指向」、同性である女性たちからの評価を目的とした「女性指向」、自己充足感を目的とした「自分指向」、仕事での成功を目的とした「仕事指向」に記事を分類して、記事件数を調べたところ、「女子力」は、初めは「男性指向」の意味で使われていたが、徐々に「女性指向」、「仕事指向」、「自分指向」の使用も増え、2010年になると「自分指向」の記事件数は「男性指向」の件数を抜いていた。質的に分析すると、これらの全ての類型において、「女子力」は外見の美しさを意味することが圧倒的に多かった。現代女性たちは、男性からのまなざしだけではなく、「自分のため」、「女友達からの評価のため」、「仕事のモチベーションのため」に美を追い求めるのである。また、仕事が出来ること、自己主張すること、性的欲望をもつことなど、「男性のように」振る舞うことも「女子力」と呼ばれており、「男性にモテる力」のように揶揄されることの多い「女子力」は、実は、近代的性規範を打ち破りうるものだと言えることを明らかにした。一方で、「女子力が高い」とされる女性の生き方や働き方を分析すると、ポスト近代社会における新たな女性差別の構造が隠されている面もある。「女子力」について分析することは、女性の社会進出が進み、女性が男性に対する従属から自由になってきたことを教えてくれる一方、女性の「美」に関する消費市場や、グローバル化の中で変わりゆく労働市場の中で、女性差別的な社会構造が再構築されていく可能性にも目を向ける機会を与えてくれると言えるだろう。


女児とゲーム: 雑誌の特徴から考える
秦 美香子(花園大学)


本報告では、未就学~小学校低学年を主たる読者対象とする女児向けゲーム雑誌の内容を分析したうえで、読者は雑誌をどう利用しているのかについて考察を試みた。女児向けに編集されたゲーム雑誌は非常に新しい雑誌ジャンルであり、本研究が確認した限りでは、2009年1月創刊の『キャラぱふぇ』(アスキーメディアワークス)および2012年9月創刊の『ぴこぷり』(エンターブレイン)の2誌のみである。ゲームだけでなくキャラクター商品も対象としている『キャラぱふぇ』に比べ、『ぴこぷり』はゲームだけを主題とした雑誌であるという点で特徴的であり、報告では主に『ぴこぷり』の分析結果を紹介した。まずは、記事内容や構成がジェンダー化されていること、多様なゲーム作品が数ページずつ紹介される商品カタログのような形式であることを確認した。次に、読者が積極的に想像力を働かせ、横断的に「作品世界」を再創造していることを、読者投稿欄の分析をもとに考察した。


2013年7月27日 甲南女子大学 13:00-17:00
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第19回

集合体、個人そしてプロデュセイジ ~英語圏におけるファン研究の流れ~
池田太臣(甲南女子大学)


ここ20年間の英語圏でのファン研究の流れを3つの時期に区分して報告した
第一期は、「集合体としてのファン」に関心を持つ時期である。そこでの研究は、さらに、2つのタイプに分けることができる。ひとつは「解釈共同体」に関心を持つタイプである。このタイプの研究は、「ファンが共有する独自のテキスト解釈」を弱者の戦術として評価するものである。第二のタイプは、ブルデューの著作に影響を受けて、ファン行動の階級規定性を強調する。
第二期は「個人としてのファン」に注目する。ファン個人の動機や快楽、感情について説明しようとする。
第三期は「プロデュセイジ Produsage」の時代と呼べるだろう。Web2.0の登場が「創作とその使用」との区別をあいまいにする。ウキペディアが典型的な例であるが、そのサイトでは、コンテンツの創作者と利用者は同一である。アクセル・ブランスは、この状態を「プロデュセイジProdusage」と呼んだ。この「プロデューザー Produser」によるコンテンツ生産への注目は、従来の「創作―使用」「オリジナル・テキスト―ファン・テキスト」という構造を再構築する可能性を秘めていると思われる。
3つの時期を区別した後、ファン研究の現代的課題を数点指摘した。以下主なものだけ列挙しておくと、「テキスト中心的態度」の自覚と相対化、ファン研究の固有の領域、ファンの定義の問題などである。
その後の意見交換および質疑応答では、やはり、二次創作へとファンを駆り立てるにはテキストだけではだめで、イメージが必要だろうという意見がでた。また、日本におけるプロデュセイジ的現象もいろいろと挙げられた。
最後に、「ファン」の定義をめぐってもさまざまな意見が出された。私の定義は「ファンとは『ファン』という自覚を持つ者」という定義であったが、「それなりにファンダムにコミットメントしているにもかかわらず、『私は、○○○が好きなんですが、ファンというほどではありません』という人」の場合はどうするのか、といった指摘があり、今後も追及すべき課題であると実感することができた。


2013年4月24日 甲南女子大学13:00-17:00
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2012年

第18回

「イメージの広がりから考える『ベルサイユのばら』の人気について」





「女子鉄道ファンに関する一考察 ジェンダーと趣味的社会化の視点から」





2012年9月20日(土) 甲南女子大学 第六会議室(管理棟2階)
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第17回

「女子と美人 世界でいちばん美しいのは誰?」





2012年7月25日(水) 甲南女子大学 第五会議室(管理棟2階)
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第16回

「イメージとしての「美人」とイデオロギー 顔と美意識に関する覚書」





2012年6月27日(水)  18:00-20:00 甲南女子大学 第五会議室(管理棟2階)
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第15回

「女子向けテレビアニメにおける外国イメージ――1960~80年代を対象に」





2012年5月23日(水)  18:00-20:00甲南女子大学 第五会議室(管理棟2階)
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第14回

「『ファンであること』をすること ヴィジュアル系ファンの会話分析」 





2012年4月25日(水)  17:00-19:00 甲南女子大学 第五会議室(管理棟2階)
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第13回

「描かれる〈うつ〉 ―マンガ表現の可能性についての考察」
秦 美香子(花園大学)





2012年3月29日(水) 15:00-17:00 甲南女子大学 第五会議室(管理棟2階)
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第12回 

「Maid / Made in Otaku Culture ~あるメイド喫茶についてレポート~」 
池田太臣(甲南女子大学)


大阪・日本橋にある老舗のメイド喫茶で働くメイドさんたちへのインタビューを中心に、ある「メイド喫茶」の現在をレポートした。メイド喫茶は、2000年初頭に登場しその後ブームとなった「オタク文化」の重要な一要素であり、その実態ないし表象に関する研究は、日本の「オタク文化」の研究にとってもきわめて重要である。
本報告では、メイドさんたちへのインタビューから、(1)彼女たちは、多かれ少なかれ、「オタク」という自己認識を持っていること、(2)メイド喫茶でオタク知識を活かして働いていること、(3)情報を得たり、メイド同士が友達になることによって、オタク仲間(社会関係資本)を獲得したりていること、の3点を指摘した。彼女たちの行動は、彼女たちの「オタク」としてのアイデンティティに結びついた行為なのである。


2012年02月23日(木) 15:00-17:00 甲南女子大学 管理棟3階第5会議室
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第11回

「女性向け男性同性愛マンガの歴史的変遷 ―1970年から1997年まで」 
西原麻里(同志社大学)


 1970年から1997年までを4つの時代に区分し、この間に発表されたBLマンガ1239作品を数量分析した結果を報告した。時代が下るにつれて、物語の世界観が徐々に読者の日常に近づいてくること、恋愛の言動において必ずしも〈受〉/〈攻〉のステレオタイプにあてはまるわけではないこと、男性カップル間の役割分担には絵柄による容姿のジェンダー差が大きく影響することなどを述べた。
 BLマンガはなぜ“男同士”なのか。それは、既存の異性愛的価値観への抵抗というよりもある種の違和感のようなものなのではないか。また、BLの登場人物や物語構成がある程度パターン化しているため、参入しやすいジャンルなのではないか。とくに80年代はマンガのテーマと他のサブカルチャーとが強くリンクしているのではないか。当日は、以上のような意見を頂戴した。


2012年1月25日(水)  17:00-19:00 甲南女子大学 945教室(9号館4階)
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2011年

第10回

「阪神間の女子大学の比較」
森 仁奈(関西学院大学大学院)


 戦後すぐの女子大学に通う学生は非常に少なく、教師や医師など職業的エリートを目指すか、富裕層の出身で花嫁修業的に通う学生が多かった。80年代になると女性に職業機会が与えられ就職を希望する学生が増えていった。女子大学は受験生離れが起こるようになった。90年代以降は就職難が問題化していき女子大学は就職支援に力を入れていった。就職実績によって学生を取り戻すことができた女子大学も増えていった。しかし、卒業した学生に目を向けると就職しても退職すると再就職ができない女性がいる。学生時代に専門的な知識や技術を身に着けておらず、職業での経験もあまり身につかなかった女性は特に再就職ができずに、派遣やバイトなど不安定な雇用で働かざるえない状況となっている。女子大学が女性の自立を達成させるために存在する意義があると述べるならば、今後はこのような層に向けた教育も行っていく必要があるのではないだろうか。


2011年12月21日(水)17:00-19:00  甲南女子大学 945教室(9号館4階)
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第9回

「かわいいとカワイイの狭間で」
鳥集あすか(大阪大学大学院)





2011年10月19日(水)17:00-19:00 甲南女子大学 945教室(9号館4階)
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第8回

「腐った女子の作品消費とコミュニケーション ―男性オタクとの比較考察」
東 園子(大阪大学大学院)


 女性向けに男同士の恋愛的な関係を描いたマンガや小説を好む「腐女子」は、女性のオタクの多くを占める。オタクの間では男女で異なる傾向が見られるが、それがよく表れているのが二次創作(既存の作品の登場人物や舞台設定を利用した創作)である。男性オタクによる二次創作は女性キャラクターを性的に描いた作品が中心的なのに対し、女性オタクの場合は既存のアニメやマンガなどで描かれる男同士の関係を恋愛的な関係として描き直したマンガや小説(=「やおい」)が多い。前者の元になる作品消費の仕方として批評家の東浩紀が「データベース消費」という概念を提唱したが、後者はそれとは異なり、男性キャラクターの間の人間関係に関心を向けることによって作られている(=「相関図消費」)。「やおい」好きの女性オタクたちは男性キャラクター同士の人間関係の解釈を互いに競い合うことで、他の同好者と一緒になって物語を楽しんでいる。


2011年09月15日(木)17:00-19:00 甲南女子大学 945教室(9号館4階)
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第7回

「KPOPアイドルの『海外おっかけ女子』」
吉光正絵(長崎県立大学)


 中国,ベトナム,日本の番組収録やコンサートにおけるフィールドワークをもとに、韓国の男性アイドル・グループを応援する女子達の行動と集団構築の現状を分析した。韓国の男性アイドル・グループは、2000年前後に中国でブームを生み出し「韓流」という言葉を生み出した。日本では、同様の音楽はK-POPと呼ばれている。フィールドワークの結果、韓国のポピュラー音楽を愛好する女子達は、「ファンカフェ」と呼ばれるインターネット上のファンサイトや、facebookや百度、twitter、微博といったソーシャルメディアを利用して、国境を越えた巨大なコミュニティを作り上げていることがわかった。


2011年07月061日(水)17:00-19:00 甲南女子大学 945教室(9号館4階)
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第6回

「女性向けマンガに描かれる働く女性のイメージ」
増田のぞみ(甲南女子大学)





2011年06月01日(水)17:00-19:00 甲南女子大学 945教室(9号館4階)
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第5回

「タイの女子もかわいくなりたい―タイにおける日本文化と『女子学』展開の可能性―」
藤田 渡(甲南女子大学)




「『女子』の意味作用」
河原和枝(甲南女子大学)





2011年04月27日(水)17:00-19:00 甲南女子大学 945教室(9号館4階)
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第4回

「『鉄子』はなぜ増えたのか?」
信時哲郎(甲南女子大学)




「『ボク少女』の言語表現 ―常用性のある『属性表現』―」
西田隆政(甲南女子大学)


 本発表では、フィクションの世界における、自らの1人称に「ボク」を使用する少女、「ボク少女」の言語表現について、同じく1人称に「オレ」を使用する「オレっ娘」と比較しつつ、検討した。その結果、「ボク少女」は、一般的に、ボーイッシュな風貌で運動神経がよく、「オレっ娘」よりもやや丁寧なことば遣いであることがあきらかになった。また、現実世界の「ボク少女」の存在についても、今後の検討課題として、提起した。


2011年03月07日(月)17:00-19:00 甲南女子大学 945教室(9号館4階)
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第3回

「オタクの“消滅”」
池田太臣(甲南女子大学)


 本報告では、オタクという言葉が広まった1980年代末から現代に至るまで、どのようにオタクイメージが変化していったのかを追っている。
 「オタク」という言葉は、周知のとおり、1988-1989年にかけて起こった幼女連続誘拐殺人事件をきっかけに日本中に広まった。その事件をきっかけに広まったオタク像の特徴は、(1)「役に立たない」情報の収集に血道をあげていること、(2)比較的に社交性に乏しいこと、(3)男性であること、の3点を指摘することができる。これらの3つの特徴を備えた「オタク的な」と称される人物像は、非常にネガティブなものであった。
しかし、1990年代末から2000年代にかけては、マンガやアニメといった文化の価値が上昇し、それらについての情報は「役に立たないものではなくなった」こと((1)の修正)、TVドラマ『電車男』ではネガティブなオタク像を修正しようという試みがなされたこと((2)の修正)、「腐女子」や女性オタクにも注目が集まるようになったこと((3)の修正)の3つの動きを指摘できる。
その結果、もはや「オタク文化」を好む人々の「表象」は、従来の「オタク的」とされるネガティブな人格像とは切り離される。つまり、従来のイメージであったネガティブイメージのオタク像は修正され、より開かれた概念になりつつあるといえよう。


2011年01月27日(木)17:00-19:00 甲南女子大学 945教室(9号館4階)
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2010年

第2回

「ファッション誌における『女子』」
米澤 泉(甲南女子大学)


 近年、20代後半から40代向けファッション誌において、年齢を超越した「大人カワイイ」ファッションやそれを着こなす「大人女子」が看過できない存在となっている。また、従来のように、年齢や立場で女性を分類する雑誌よりも、未婚や既婚、キャリアや専業主婦といった区別をせずに、30代女子、40代女子を謳う雑誌が支持されているのだ。なぜ、彼女たちは「女子」という言葉に共感を覚えるのだろうか。
 不惑と言われる年齢になっても、好きな服を着て、母や妻といった役割にとらわれずに生きていきたい。好きに生きてこそ、一生「女子」=(好)。その言葉の裏には、「良妻賢母という呪縛」から自由になろうとする「大人女子」たちの思惑が表れているのではないだろうか。


2010年11月24日(水)17:00-19:00 甲南女子大学 945教室(9号館4階)
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第1回 

「写真と女子」
馬場伸彦(甲南女子大学)

流行する「女の子写真」とは何か?男性の撮る写真とそれはどのような点で異なるのか?社会背景との連関は?ヒロミックス、蜷川実花、澤田知子などの作品を例に、作品における自己愛的性格を見出し、その表現における目的の差異を考察した。


2010年07月21日(水)17:00-19:00 甲南女子大学 945教室(9号館4階)
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